小さな小さな、でも確かにリアルなこと

今日、藤沢のささえあいセンターで、将棋を指せる機会をいただいた。

対局相手は、他人と話したりするのが苦手で、ほとんどお家から外出しないという方だった。


結局、その方とは最後まで一言も話さなかったけれど、めちゃくちゃいい時間だった。

お互い考え込む姿勢とか、駒に触れる直前で悩んで手を引っ込めてしまう感じとか、決断の一手!!のように打ち込む音で、だんだんと打ち解けあえてるなと感じられて幸せだったなぁ。


90分の大激戦、2人だけの集中した空間、本当楽しかった、

たまたま棋力が同じくらいで、最高だった!

 

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今日の対局は、その施設の生活支援コーディネーターの方に、丁寧にご調整いただいた。

今日対戦した方が、以前、お母さんと来所した際に、将棋がお好きだということを聞いて、僕とつなげてくれて対局が実現した。

(僕が半年くらい前に将棋が好きだとチラっと話したことを覚えててくれていた。)

 

コーディネーターの方には本当に感謝と尊敬しかない。

一番の壁だったのは、約束の時間の1時間前まで、対戦相手の方が施設に来れるかどうか分からないという状況だった。

 

それでもその方の状況をしっかり把握して、僕がどんなことを勉強しててというのを理解していただいて、とても丁寧な連絡で、お互いが幸せになる対局をコーディネートしてくれた。

 

一つの対局を実現するのに、相当な気配りがいるんだな。人のつながりって言葉が先行しがちだけど、生身の人間同士をつなぐって、本当はとっても大変で尊いことなんだと改めて感じた。

 

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対局後、コーディネーターの方や相手のお母さんにとても感謝された。素直に、何かの役に立てたようで嬉しかった。  

 

ただ、それ以上に、帰り際に、対戦した相手が、お母さんに今日はどうだったと聞かれたとき、「たのしかった、」と一言、伝えていただいたとき、本当に心の底から嬉しかったなぁ。

(何とか勝てたのもめっちゃ嬉しかった笑    穴熊でガチガチに固めたのが終盤生きたぜ✌︎)

 

また来月も、今日のようにタイミングが合えば対局する予定、

楽しみ!  次はどんな戦法でいこうかしら!

 

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ただ将棋を指しただけ、だけど、「地域のつながりで〇〇」という言葉が色んな政策や取り組みの中に散りばめられてる中で、小さな小さな、でも確かにリアルな、出来事だったなと思う。

 

今まで、地域を元気にしていこう!という取り組みを元気いっぱいな人たちで進めることと同時に、地域で生活しているすべての人の声に耳を傾けること、誰もおいてけぼりにしないことって大事なんだろうなと、ぼんやりイメージはしていた。

 

ただ、「地域のつながりで〇〇」という言葉の裏には、想像できないような大変さが広がってるんだろうなと今日感じた。今日接した世界以外にも、まだまだリアルは広がっているんだろうな。

大学で勉強したり卒論を書いたりしていて分かった気になってしまうことに本当に気をつけないとと思った。 

 

今日はいつも接することがない方と、出会えて本当に良かった。こういうご縁を大切にしながら、ただの理想論を語るだけで終わっちゃわないよう、目の前の出来事から多くのことを学んでいきたいと思う。